春はひと雨ずつ近づいてくる 冷たいみぞれ混じりの雨もあれば やわらかな芽吹きの雨もある この季節、三寒四温というけれど まさに春の訪れは行きつ戻りつ そんな日々の繰り返しの中で 草花の小さな芽は土の中から ひょっこりと顔 […]
2018年,
何十年かぶりに昔暮らしていた町を 尋ねてみた。昭和四十年代後半のこと 小さな商店街でも賑やかで活気があった 横文字で書かれたお洒落な店 何度か入ったことのあるカツレツの食堂 パーマ屋さん、ツバメマークの自転車屋 その頃は […]
まだまだ春も遠いという季節 狭い庭の梅の木の下には毎朝 霜柱がすっくと立って朝日に輝く 切り立ったガラス細工のような 鋭さに、虹色の陽射しは当たって 静かに滴となって霜柱は消えていく その霜柱の根元をよく見ると 小さな黄 […]
新しい年が始まり、また日常の流れが 戻ってきました のどかで、何にもない平凡な暮らし ベランダ側の温かな陽だまりの部屋で 新聞を読んでいるうちに、うとうとうと 幸せな時間が過ぎていく それから、暫く夢の中にいた 早く、早 […]
街角の店先を賑わすのはポインセチア 真っ赤に色づいた葉の上にキラキラ輝く 金や銀の粉が吹き付けられ、まさに クリスマスそのもの、デパートの ショーウインドーを飾る一番の主役だ そして、師走と言えばもう一つの花 シクラメン […]
2017年,
季節は晩秋を迎えた 花も野菜も果物も それぞれに季節感を感じる 唯一の物がある、この季節 私の描く果物の中で半分に割った 中の芯の様子を見て、つくづく 感動する事がある どの野菜も果物も次の世代に ちゃんと受け継がれる種 […]
故郷の空は高い、高くて青い イワシ雲が空一面に広がり 無数の赤トンボは 刈り取られた田んぼの上を飛び交い 竹ほうきで掴まえた。あの遠い日 のどかな田園風景だった しかし、その頃の私は 田舎暮らしがちっとも良いと思えず 都 […]
あの遠い日、私がまだ幼い頃 熱を出して学校を休んだ日 風邪をひいて床に伏せっていた日 そこに母の魔法のような言葉があった 『シーッ、皆んなには内緒だよ』 そう言いながら前かけの下から そっと取り出し食べさせてくれたのは […]
少しずつ秋の気配を感じるこの頃 季節の巡りは、静かにそっと 足音を忍ばせながら動いているようだ あれほどの暑さも、日照り続きの ポクポクした花壇や畑の土も 何となく湿り気を帯びて 元気になったような気がする 小さな秋の気 […]
暑い、暑い、夏の真っ盛りです 花も木々もギラギラ太陽に照らされて グッタリうなだれ、元気をなくします ときおり、思いついたように『ザーッ!』 夕立の雨が通り過ぎて、やっと息をつき 足元を見るとアスファルト道路に湯気が 立 […]
樹々の緑が色濃くなってきた 木陰が恋しくなり、その木陰で 吹き来る風を受けながら涼むひと時が 何とも心地よい季節だ 自然の中に身を置くことの安堵感 全ての生命の時間と共有している事に 掌を合わせ、心から感謝したくなる さ […]
新緑を吹き渡る風が心地好い季節 四季の中で私はこの頃が一番好きだ 柔らかい樹々の新芽は空に向かって グングン伸び何かを掴もうとする姿に 似ているような気もする 恐れを知らない若者が、ある時 思いもかけず心傷つき悩み 悔し […]
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