2021年10月の絵手紙エッセー『少しのんびり』
季節は急ぎ足で秋を迎えた 川沿いの、いつもの散歩道は 背丈ほどに伸びた夏草が生い茂り 至る所で川面を目隠している 遠くの風景は 美しく刈り取られた稲田が広がり 秋の風情を水彩画にしたいほどだ 歩く度に稲藁の匂いを乗せた風が 通り過ぎていく 今回の共歩きの相手は私の友人 医療従事者の彼女から誘って来た 一緒に川沿いを歩いてくれない? 遠くに目をやり深い溜め息をついて 私を誘った。初めての二人だけの散歩 コロナ、コロナで追い立てられ 正月もお盆も連休もオリンピツクも無く ただ働いていた。命と向き合う戦い 平凡な毎日を過ごしている私には その深い心身の疲れは察し難いけれど とにかく、頑張った後は少しだけ のんびりして欲しいと願っている |