2019年3月の絵手紙エッセー『幸せ届けて』
日だまりの小さな花壇に 今年もフリージアの花が咲いた 春の到来を告げに来たかのように その甘い香りと黄色の蕾の一列は 少しずつ夢を適えて咲くように 楽しみを与え続けてくれる あれは、何時の頃だっただろう 私の遠い記憶の中の フリージアの花は辛い思い出と 重なっている。それは 友達の入院していた病室に フリージアの花束を抱えて 見舞いに行った時のこと ナース詰め所で花束は禁物と 持ち込みを断られてしまった そしてついに、彼女に花を見せて あげられないまま静かに旅だった 彼女の笑顔とフリージアの花 いつも誰かを幸せにしてくれた 思い出の花が今年も咲きはじめた |