2014年6月の絵手紙エッセー『風のうた』
六月の風はやわらかい 木々の葉は真新しくて緑がやさしい その緑葉の間をくぐり抜け ゆるやかに風が通り過ぎてゆく 取り立てて何ということのない暮らし ごく普通の当たり前のような暮らしが とても貴重で大切な時間の流れだったと 気付いたのは、つい最近のことである 家事や子育てから解放され 誰にも干渉されず世話もせず 独りの時間を楽しみたい 好きな事をしながら余裕の老後を と、理想に向かって無我夢中で 駆け抜けて来たけれど、果たして それで何が残ったの?何を得たの? 確かに経験という実績だけが勲章で 他には何も変わらない。変わったのは 庭木が見上げる程に大きくなっただけ 駄目だ、もう一度歩き直してみよう 毎日を笑いながら楽しく生きてみよう 有意義な人生だったと思えるように 風に揺れる木の葉のように、、、、。 |