2014年4月の絵手紙エッセー『信じること』
陽射しは、もうすっかり春になりました 小さな芽吹きはグングン空に向かい あの甲高いさえずりはヒバリの声です その空を見上げたついでに 白い花を見つけました。こぶしの花です 今まで眠っていたように見えた木々も ちゃんと目を覚まし まるで自慢話の井戸端会議のように 自己主張の花が咲き始めます 黙っていても、春は来ました 忘れていたように思っていても 必ず春は来たのです 『ちゃんとやれば出来るじゃないの』 『早く、早くしなさいよ、遅れるわよ』 あの遠い春の日、ランドセルを背にした 息子に言う言葉はいつもこうだった 『だいじょうぶ、大丈夫、心配ないよ』 黙って見ているだけでよかったのに 信じて待ってあげればよかったのに それが出来なかった、あの日の自分 『ごめんね』 今頃になって気が付いた |