2013年9月の絵手紙エッセー『秋の始まり』
昼間の陽射しに何となく 陰りを感じるようになった あれほど勢いづいていたヒマワリも 首をうなだれ、その葉の下に 無数の種が散らばっている 一粒、一粒、種を拾い集めながら 来年の花時を思い浮かべる また一つの季節が静かに 終わりを迎えようとしている そして、夕暮れ時の空は朱く 空一面に広がっている 川沿いを歩く人影もその朱色を浴びて 近付く秋の気配を感じさせながら走る どこまでも走る ふと気が付くと、そこは沼の入り口 長い仕事を終えた朽ちた舟が何雙も 繋がれながら安らかである 人間の一生が一雙の舟ならば、今は 過去も未来も全てを受け入れて 静かで穏やかでありたい こうして、秋が始まるように、、、。 |