やちよ絵手紙の森美術館

『思いっきり生きて』(2022年8月の絵手紙エッセー)

2022年8月の絵手紙エッセー『思いっきり生きて』 麦わら帽子の似合う季節になった
強い陽射しをさえぎり
時折、風に飛ばされながら
夏は今年もやって来た
青い空をニッ!と睨み付けて
暑さになんか負けないぞ
と、ばかりに空を見上げる
しかし、この夏
黄色一色のヒマワリ畑に
銃弾が飛び交い、黒煙の上がった
国がある。ゲームの世界ではない
戦争という悲惨な光景はまさしく
現実の世界に起きたのである
小麦やトウモロコシ、ヒマワリ
豊かな穀倉地帯が戦場と化した
そこに住む人々は恐怖と不安の中で
生きること、ただ生き延びる事を
一日の祈りに変えている
平和で穏やかな、何気ない暮らしが
最も幸せだと気づかされた私
今日一日を
思いっきり生きてみようと思う

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