『松茸』(2023年9月の絵手紙エッセー)
爽やかな風が野山を吹き抜ける この夏の、あれ程の暑さを通り越して 漸く生きた心地のする季節になった 木々は彩り豊かになるかと思えば やはり、あの暑さのせいで 木々の葉もだいぶ痛んでいるらしい 自然は正直で 季節の変化を敏感に受けとめ このまま温暖化の地球では危ない と、警鐘を鳴らしているのだという 私達のずっと、ずっと昔の祖先が 天と地の恵みを素直に質素に しかも、謙虚に頂いたお陰で、長い間 なんの心配もなく、自然の恵みの 恩恵に預かって来た 秋には秋の、豊かな自然の産物に 感謝の祈りを捧げ頂いていた そんな心配をよそに高価な産物が 店先に並んでいた。やはり 密かに出番を待っていた秋の王様が 自然の強さを見せつけてくれた |