2022年3月の絵手紙エッセー『夢を掴む』
少しずつ、少しずつ 柔らかな陽射しを受けて 春は近付いているように感じる 木々には小さな、小さな膨らみ その根元の、ほっこらした土も いくぶん盛り上がりを見せて 地中深くからの息吹を感じる そして、 生け垣に違う、れんぎょうの枝先に 萌黄色の芽が幾つも並んでいる 根元から枝先に向かって空を目指し 両手に何かを掴もうとするように まるで幼子が、おねだりするように 手を広げてはしゃいでいる ひとつ、ひとつ、一人、一人が その手の中に夢を掴もうとする仕草に 私は笑いそうになった。夢って 小さな頃にしか与えられない物? そうじゃないよね。この私だって 夢を追いかけていいんだよね 大丈夫、遅くはないさ今からでも |