やちよ絵手紙の森美術館

2020年9月の絵手紙エッセー『こころ深く』

厳しい残暑も朝夕ともなれば
少し陰りもみえて、どれ
畑にでも出てひと仕事するか
と、やっと重い腰をあげる気もする
暑さに痛んだ野菜たちの姿は無残で
沢山の実りを与えてくれた枯れ枝に
心なしか感謝の気持ちが沸いてくる
ふと気が付くと採り残しの実が二つ
艶やかな美しい深い紺色の茄子
この残暑にもめげず立派な茄子が
私の麦藁帽子の中に収まった
外の空気は美味しい、空はいつもの青
風は小さな秋を含んだ爽やかな風
それなのに、マスク生活が続いて
気軽に買い物にも行けない暮らし
一体、いつまで続くのだろう
普通の暮らしが普通に出来ない毎日に
溜め息がもれる
茄子紺の色はなんと美しいのだろう
心の深い、こころの広い人間の私に
なりたいなあ~、と思った

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