2019年5月の絵手紙エッセー『ほら、空をめざせ』
五月の空は抜けるような青一色 その青い空をキャンパスにして 赤や黄色、緑色など錦の色は 一瞬、目を引いて美しい遠景となる 藁葺屋根のその上に ゆうゆう泳ぐコイノボリの姿は 日本の里山の風景にはぴったりだ 裏山の笹竹が風に身を任せて さわさわと音を立て、より一層 コイノボリは勇敢に泳いでいる その騒ぎに目を覚ましたのか むっくりと土の中から顔を出すのは 竹の子たちだ ホッコリ!ムックリ!ポッコリ! あちらからも、こちらからも 産まれたての竹の子たちは 顔をのぞかせた ほらほら、寝てる場合じゃないよ あの青い青い五月の空に向かって 進むのよ、真っ直ぐ夢に向かって 大空をめざすのよ |