やちよ絵手紙の森美術館

2018年7月の絵手紙エッセー『おおい、空よ』

木々の緑はすっかり色濃くなった
そよ吹く風も空も初夏の色
爽やかな薫風の中に染まっている
この季節、心の中が満たされ
何ものも恐れぬ勇気が湧くような
勢いを感じたりする
都会の雑踏から少し離れて
のどかな里山を歩くと
懐かしい日本の原風景を
見ることができた
整地していない棚田の模様
機械を使わない手植えの田んぼ
曲がってはいるが何とも心地好い
空ではひばりがさえずり
畔道に座った農家のご夫婦
腰の曲がりようで苦労がわかる
『近頃じゃ田んぼを作る百姓は
    少なくなってしまったよ』
ポツリと呟いた言葉に重みがあった
僕は空を見上げた
空は広い、広くてでっかい

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