やちよ絵手紙の森美術館

2018年2月の絵手紙エッセー『必要なこと』

まだまだ春も遠いという季節
狭い庭の梅の木の下には毎朝
霜柱がすっくと立って朝日に輝く
切り立ったガラス細工のような
鋭さに、虹色の陽射しは当たって
静かに滴となって霜柱は消えていく
その霜柱の根元をよく見ると
小さな黄色の花が、一つ、二つ、三つ
可憐な花びらを広げ、そこだけが春
うっすらと積もった雪の日も
厳しい冷え込みの寒さの中でも
屈することもなく、負けもせず
凛と咲いている強さは、私に何を
言おうとしているのだろう
辛い日も、悲しい日も、嫌になる日も
嬉しい時も、楽しい時も、幸せな時も
全て、あっていいんだと
全て、必要な事なんだと
教えてくれているのだろうか
福寿草の咲くこの狭い庭の小さな家が
私にとって今、一番必要な場所

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