やちよ絵手紙の森美術館

2015年8月の絵手紙エッセー『今日の一日』

強い陽射しが真っ直ぐに
麦藁帽子の上から射してくる
アスファルト道路の燃え立つような
陽炎が夏本番を感じさせる
吹き出るような額の汗を拭きながら
木陰を探して一息すると
向こうの木陰に休む老夫婦と
目が合って軽く会釈をした
木陰の下の二人の姿はなんとも
穏やかな時間が流れているようだった
幾度となく、こんな夏を過ごし
春夏秋冬どの季節も、どんな時も
一生懸命生きて、働いて
そして今日のこの穏やかな
時間を楽しんでおられるのだろう
幾つもの喜びや哀しみ
家族と言う名の自分の城を守り
やっと辿り着いた今日のこの日
味わい深い人生の道のりを
教えて頂いたような気がする
さあ、私も思いっきり生きてみよう
木陰の下で学んだ貴重な姿だった

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