やちよ絵手紙の森美術館

2015年3月の絵手紙エッセー『心あわせて』

冷たい風の日も暦の上では、もう春
何となく陽射しに柔らかさを感じて
思い切って窓を全開にしてみた
窓辺の桜草の鉢植えも心地好さそうに
優しげに揺れている。そして
その桜草の鉢植えの横に二つ
金色に光る貝が並んでいる
お内裏様とお雛様、描かれた貝は
遠い昔、私のおばあ様から頂いた
貝合わせ雛の一組
永い年月を経て今、私の手元にある
その縁を辿って行くと、昔、昔
どこかの殿様の屋敷にあったものとか
優雅な暮らしの中に見える別世界
都会の騒音の中に暮らす今の私と
天と地ほどの差を思い浮かべながら
両手の貝を合わせてみた。ピタリ!
確かに右と左の貝は一対になった
お内裏様とお雛様こころ合わせて
なんだか嬉しそうである。さてさて
私も心合わせる努力をしなくちゃね

« 前のページに戻る