やちよ絵手紙の森美術館

2014年2月の絵手紙エッセー『あなたへの便り』

立春とは名ばかりの冷たい風が
膨らみかけた猫柳の綿毛を揺らす
慌てて首をすくめて、もう一度
ひと眠りしようと夢を見ていたら
あら?あら、あら、、、。
何処からか、いい香り
微かな花の香りが風に乗って届いていたよ
いやいや、こうしちゃいられない
春は、もうそこまでやって来ている
さてさて、こうしちゃいられない
春が来ましたよ、とドアを叩きながら
冬の眠りから早く目覚めるように
知らせなくてはなりません
『前略、お元気でしたか?春が来ました
忙しくなりますよ、夢は持ちましたか
まだ希望は捨ててませんね
あの日の、キラキラした眼差しは
誰にも負けないぐらい希望に満ちて
素敵でした。夢を諦めないで下さいね。』
白い便箋に書いたあなたへの手紙は
春の香りと一緒に届けます。

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