2013年10月の絵手紙エッセー『こころ熱く』
秋が一歩、また一歩、近付いて来る 木々の彩りも日増しに色濃くなって 街路樹の下を歩く人々の表情が皆 詩人になれそうな?雰囲気である そう言えば学生時代のあの頃 図書館の窓際に座り、空一面が 朱色に染まりゆく光景を一人静かに 眺めながらハイネやゲーテの詩集を 読みあさっていた。まるで 夢を紡ぐ詩人のように 孤独な自分を楽しんでいた。 そうそう、その頃の高校には 用務員のおじさん夫婦が住んでいて 校庭の片隅に色々な花を育てていた ちょうど今頃の時期には 花鶏頭が丹念込めて育てられ 真っ赤なその花の一群は朱色に染まった 秋空と融合してとても綺麗だった。 そうだ!忘れていた。 もう一度、あの頃のように熱く こころ熱く、何かに燃えて生きてみよう |