2013年5月の絵手紙エッセー『大空に泳げ』
五月の空は広い、広くて青い あの、遠い記憶の中の五月の空は 点々と連なる家々の屋根の上に ゆうゆう泳ぐ鯉のぼりの姿があった 大きな口をいっぱい開けてパタパタパタ 思いっきり空気を吸って 勇ましく元気に泳ぐ姿こそ、まさに 大和の国、日本の五月の光景だった 子供達はみな泥んこになって外で遊び 夕暮れも忘れるほど元気な声が響いていた しかし、現在の公園はどうだろう? 子供達の泥んこ姿を余り見掛けない 時折、アレ?と数人の集まりに目をやれば 公園のベンチに座り小さなゲーム機に へばり付く姿である。 駄目だよ、駄目だよ、これじゃ。 もっと元気に走り回って遊ばなくちゃ 大きな声を出して木登り競争しなくちゃ 大人達も遠くから見守り、愛を注いで 育てていかなくっちゃ駄目だよ どうか日本の子供らよ 大空の元、元気に逞しく育って欲しい |