やちよ絵手紙の森美術館

2013年3月の絵手紙エッセー『いつの日も』

暦は弥生、三月
窓べには春の陽射しをほかほかと
感じられるようになった
六畳間の畳の部屋には雛壇が飾られ
一際賑やかなお客様達が並んでいる
『ホッホホホ、ウッフフフ~』
白酒にでも酔われたのか?
華やかな宴の真っ最中である
ふと、午後の日だまりの中で
うたた寝をして夢でも見ていたのか
つけっぱなしのテレビの音だったのか
久し振りの楽しい夢だった
いつもの静かな二人暮らしには
波風も立たず穏やかな一日が
繰り返される。それが幸せな老後と
若い人は言うけれど、たまには大勢の
お客様でも迎えて飲めや歌えやの
楽しい声が聞こえるのもいい
一つ屋根の下に四世代が一緒に暮らす
日本古来の賑やかな家族の姿が
何だか懐かしく思える。いつの日も
家族皆が揃って笑っていたいものだね

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