2013年2月の絵手紙エッセー『凛と咲く』
二月の風は身を裂くように冷たい まさに立春とは名ばかりで、暖かな 本物の春の到来が待ちどうしい日々 暖房の効いた部屋から抜け出すには 少し勇気がいるけれど、猫背になり 運動不足の体には歩くことが一番と 思い切って川沿いを歩いてみた。 遠景はまだまだ冬景色、しかし 足元の草むらからは小さな春の芽が ちょっぴり頭をのぞかせている 猫柳の綿毛も膨らんでいる、そして 農道から急な坂道の途中に山椿が 真っ赤な花を幾つも咲かせていた この冷たい風に、びくともせず 凛と咲くその姿に心はひき締まった 色々な雑念に捕らわれ、揺れ動く心 小さな事に思い悩み、迷う心 そんな人間の生き方を諭すような 山椿の咲く姿は 何があっても、どんな時も 凛と咲く。そんな姿が私は好きだ |