やちよ絵手紙の森美術館

2013年1月の絵手紙エッセー『こころの中に』

早朝の神社の境内で一年の無事を祈った
身のひき締まるような清々しい冷気に
心新たに二〇一三年・巳歳が始まる
いつの年も同じような新年を迎え
それでも色々な出来事に遭遇しながら
月日は巡ってゆく
年賀のお膳を目の前に姿勢を正し
湯気の立ったお椀の蓋をゆっくりと開け
真っ白なお餅を確認する
『今年も幸せな年でありますように』
願いはいつも家族の健康と幸せ
何事も起きないように、と祈りながら
人生の幸せについて考える時
いつも幼い日々を思い出してしまう
物質的に豊な時代ではなかったけれど
でも、どこか心は満たされていて
幸せだったように思う
少し怖い父が居て、優しいお母さんは
その側にいつも寄り添っていた
食べ物の取り合いで妹弟喧嘩もした
継ぎ接ぎのある服でも恥ずかしくなかった
それでも心の中には夢や幸せがいっぱい
詰まっていた時代を、いま懐かしく思う

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